ICO Conferenceレポート②
こんにちは!
今日も肌寒い天気が続いていますね。カーディガンではなくジャケットを持ってくるべきだった、と大学で後悔しつつブログを書いています。
本日は昨日のICOカンファレンスのレポの後半をお届けしたいと思います。皆様の参考になれば幸いです。
【Session4:ICOについて考える。ICOが今、注目される理由】
第4セッションでは、メタップス代表取締役の佐藤さん、VALU代表取締役の小川さん、gumi代表取締役社長の國光さん、AnyPayの木村さんの4人でパネルディスカッションが行われました。
<VALUについて>
まず小川さんから。VALUを作るきっかけは、今の時代、個人の「信用」の取得が難しく、会社をやめてみて自分の「信用」は会社に属していたんだな、と思ったこと。
人を評価するものを作ろうと思ったものの、流動性や評価軸が難しかったそうです。VALUのユーザーとして多いのはアニメーターやイラストレーターが多く、受け取ったbitcoinは自分の目標を実現していくために使ってほしいとのことです。
今後のVALUの展開としては、早くSNS部分を強化したい、ということと、グローバル化していきたい、ということでした。
またここで実際にVALUを利用している國光さんから「発行体が流動性イベントを出すのが難しい」という指摘もありました。國光さんは、株における四半期決算のような値動きを促すイベントが何かしらあると、もっと発展していくのではないかと言及していました。
<Timebankについて>
次に佐藤さん。「時間」を基準にしようと考えたきっかけは、「経済」を選べるようにしたいから。色々なものは自分で選べるのに、自分が所属する経済は自分で選べないのはおかしい、と考えたそうです。
若者が有利な経済があってもいいじゃないか、という視点から、若者がたくさん持っている「時間」に注目したそうです。また、自分の価値を何に依存するかと考えたときに、自分の残りの時間は増やせない、増やせないから価値が上がっていくんじゃないか、という考えに基づき「時間」が基準となったTimebankが生まれました。
支払いを法定通貨でするか仮想通貨でするかについてはその時点ではあまり興味がなかったようです。
<VALUとTimebankは似てる?>
本人たちの視点ではあまり似ていないようですね。
仮想通貨で支払いをする、という共通点はあるものの、VALUはSNS的な側面を重視して設計されていますが、Timebankは取引所を模して作られたそうです。
<ICOについて>
國光さんは、最初仮想通貨否定派だったようですが、仮想通貨に触れていくにつれて自分の食わず嫌いであり自分が間違っていた、ということに気づきました。
そして今ではICOはブロックチェーンにしかできないキラーアプリケーションの入り口なのではないかと注目しているそうです。
ICOの興味深いポイントとして、クラウドファンディングは基本的にファンしか買わないが、ICOは投資としても買える、という側面から、ファン以外の人の流入によって市場規模の拡大が期待できるという点と、ICOは個々のプロジェクトにおける資金調達なので、会社ではなくプロジェクトごとの判断ができる点も指摘されました。
最後に日本が先駆者になっていくにはもうこの分野しか残されていない、というお話がありました。仮想通貨以外、世界にはもう日本が勝てる産業は残されていません。普通のIT産業はもうアメリカと中国に牛耳られています。
知らないもの、関係ないもの、として敬遠するのではなく、ココしかない!という思いで発展させていきたいものですね。
【Session5:ICOコンサルティング事業の紹介・展望】
第5セッションでは代表取締役の木村さんにより、AnyPay社の行うICOコンサルティング事業が紹介されました。
AnyPayはICOコンサルティング事業として、①スキーム・機能の設計②トークンの発行③取引所と連携・マーケティングを行います。
ICOを普及していく課題として多くの人が仮想通貨・ICOを知らない、知っていても技術がない、自分たちには関係ないものとして認識している事実があります。それに対するアプローチとして業界全体へ仮想通貨・ICOについて発信し、ICOをしたい企業へコンサルティングやトークン発行の個社サポートを行います。
短期的には
「ICOに対して理解が正しく広がること」
「様々な業界の企業がより魅力的なICOで資金を集めること」
中期的には
「集めた資金で事業が加速し良いサービスが世界中へ広がること」
長期的には
「日本発で世界のビジネスをリードする土壌をつくり世の中のお金の流れを変えること」「中央集権システムから個人へのパワーシフトをサポートすること」
を目指しています。
ICOコンサルティングをする対象としては、エリアはグローバル、規模はスタートアップや未上場中小企業・著名人、業種としては一般消費者へ高い知名度や広いファン層があるもの、だそうです。
AnyPay社はこのために、社内外にプロ集団での体制を構築しています。社内にはICOコンサルチームとして、ビジネスチームと開発チームを、そして外部には仮想通貨販売所、法務会計を用意しています。また、ICOトークン発行事業者として「ANGO Pte, LTD」が今年8月シンガポールに設立されました。
これから国内外において事業のオンライン・オフラインに関わらずICOすべき案件に対してICOサポートを行っていくそうです。
これからICOコンサル企業のサポートを受けて、色々な会社がICOを行ってプロジェクトを発展させていくと考えるとワクワクしますね!
【Session6:今後実施のICO事例紹介】
最後に、AnyPayのコンサルティングを受けてこれからICOを行う企業が2社紹介されました。1社はアメリカの「bread」、もう1社はインドの「drivezy」です。
これら2社からはCEOが会場に来てプレゼンテーションを行いました。
<世界の分散型銀行を目指すbread>
「bread」は現時点で50万人を超えるユーザーが存在するビットコインウォレットですが、この度ICOを行い分散型銀行サービスの開発を目指します。
「bread」が分散型銀行サービスによってもたらそうとしている恩恵は以下の4つです。
・いくらでも、いつでも、どこへでも送金可能
・手数料は安く、ほぼ即時
・実質的にハッキング不可能
・第三者機関への信頼が不必要
「bread」にはmessengerのクリエイターであるBen Davenport氏、LitecoinのクリエイターであるCharlie Lee氏をはじめとした業界屈指の専門家によるサポート陣がついています。
分散型世界銀行を目指すプロジェクトはICOとしてもすでに多く見られます。「bread」でなければならない「なにか」をアピールすることがICOの成功に繋がりそうですね。
詳しくプロジェクトを知りたい方はコチラから。事前登録もスタートしています。
<シェアリングエコノミーの統合を目指すdrivezy>
「drivezy」は現時点でインドにおいて数十万人のユーザーが存在する自動車・二輪車のシェアリングサービスです。自動車は世界で最も普及している交通手段ですが、インド人の自動車保有率は7.2%でほとんどは自動車を利用できていないのが現状であり、その中で発展したサービスです。
シェアリングサービスで業績を伸ばした「drivezy」は今回グローバルシェアリングマーケットを一つにするためのプロジェクト「RENTALCOINS」のICOを行います。現在世界には多くのシェアリングプラットフォームとその利用者が、それぞれバラバラに存在しています。これは、それらの散財したプラットフォ―ムとユーザーをRentalcoinsによって一つにつなげようという試みです。
ICOによる調達資金でまずはインド国内の車両の拡充を目指し、その後世界のシェアリングエコノミーと繋がっていく予定です。スムーズにその他サービスと接続してユーザーを増やしていくことが出来るかがカギになりそうなプロジェクトですね。
詳しくプロジェクトを知りたい方はコチラから。トークンセールは11月1日開始予定です。
【まとめ】
本日はICOカンファの後半3セッションのレポートをさせていただきました。参加費5000円で、3時間半にわたるカンファレンスでしたが、興味深いお話をたくさん聞くことができたので、参加してよかったです。個人的な要望としては、参加者同士が登壇者と交流したり、参加者同士が交流したりする懇親会のようなものがあったらいいな、と思いました。
お読みいただきありがとうございました。