ICO追っかけ女子大生日記

JD徒然草

徒然なるままに心にうつりゆくよしなし事を書きます。

Blockchain Future Conference① Everex

こんばんは。先日のブログを書いたときにひいていた風邪がまだ治っていませんが、昨日はブロックチェーン・フューチャー・カンファレンス(BFC)に参加してきました。

長ったらしい名前と主催者の方のよくわからない経歴はさておき、興味深い内容だったのでさっそく中身を共有していきたいと思います。

 

BFCは、11月15日(水)に都市センターホテルオリオンで行われました。開催時間は18時から22時半の4時間半!(長かった…)

EverexMonethaAgrelloBinanceLEXITの4つのプロジェクトと1つの取引所から代表者を招いての充実したカンファレンスでした。

本日のブログはEverexについて。「について」というよりも何を話したのか気になる方も多いと思うので、ほぼ原文そのままを訳した状態で載せさせていただきます。会場での翻訳とは多少異なる部分もありますが、そのあたりはご了承ください。

 

【CEOとCOOのトークセッション】

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Everex“Everything exchangeable”という意味を込めた名前です。

私たちは、中間に何かを通さずに国境を越えて個人間やビジネス間で直接取引することがとても重要だと考えています。

この考えに至った経緯をご説明します。

ビットコイン以前の代替アセットは何だったでしょうか。現物の金です。ここ5年の金の値段をご存知であれば、それがとても安定的なのがわかると思います。通常金融危機があった場合、金の価格は高騰しますが、今はそうではありません。

その代わりに、ビットコインの価格が何倍にも高騰しています。今やビットコインは新しい金のようなものです。

 

我々は、金をデジタル化できないかと考えました。なぜなら実際金は投資対象として非常に悪いものだからです。金は、配当を支払わないし、貯蔵しておく場所が必要だし、保険を支払わなくてはならないし、容易に持ち運ぶことが出来ません。金は大きく価格を伸ばしてきましたが、良い投資対象とは言えません。

そこで我々は金を第三者であるウォレットにロックしておいて、デジタル化し、トークンを発行してそれを監視する、という考えに至りました。

 

ビジネスをしていくにあたって、問題は金をブロックチェーンで扱うということよりも、支払いの部分にあるということに気づきました。

みんなが知っている通り、銀行による昔ながらの支払い方法は時にとても時間がかかります。私たちはそれを許容しなければなりませんでした。

そこで我々はすべての資産やお金をブロックチェーン上で扱う必要があると感じました。そこで我々は、個々人や企業のお金の扱い、特に取引の処理をするサポートをしようと考えました。

 

具体的な問題に焦点を当ててみましょう。

(支払い用デバイスが複数レジに並べて置いてある写真を見せながら)

これはバンコクのショッピングモールで撮ってきた写真です。

4つの異なる支払い用デバイスがうつっていますが、これらは互換性がありません。これらを合体させるようなシステムを開発するためには、莫大な費用が必要になります。

我々はブロックチェーンがこれを解決できると考えていて、それが今Everexの開発しているものです。

 

我々は4つの主な金融サービスを1つに合併したいと考えています。その4つは、送金支払いFXレンディングです。

我々は国内の既存の支払いシステムと競争するつもりはありません。私たちは国境を超えた送金を考えているのです。

この中で何人の方が国外に送金するときや、国外から送金されるときに、不便な思いをしたことがありますか?

(会場内の多くの人が挙手)

すごいですね!貴方たちは私がまさに何を話しているのかわかると思います。我々も日本にきて、ホテルでATMを探すのにも1時間くらいかかったり、レストランでも現金でしか支払えないお店があったり、同様の不便な思いをしました。

 

ここで、いくつかの統計を見ていきたいと思います。

日本には毎年2千万人の観光客が訪れます。世界中から訪日した外国人によって日本円に対する目に見える需要があるのが確認できます。しかしこれは旅行者のみの話です。ビジネス上の取引の話を考えるともっと莫大なお金になりますが、大企業はさておき、個人間や小規模のビジネスの取引の場合、銀行の仲介手数料が高すぎるという問題があります。

Everexの主要な顧客は、中小企業出稼ぎ労働者旅行者政府組織やNGOの4種類です。彼らは実際に海外に送金をする必要性があり、我々のテクノロジーを利用することになると考えられます。

 

ここで、Everexのライバルたちについてお話したいと思います。我々は以前Rippleに対してコメントを求められたこともありました。我々はRippleのことをライバルだとは思っていません。何故なら、Rippleは銀行にとってのPayPalのようなものだと考えているからです。

Rippleを使うためには、銀行の口座を持っている必要があります。

今世界では、25億人の人々と1700万の小規模ビジネスは銀行口座を持っていないので、金融的に実際に除外されています。

銀行口座を持っていない彼らをRippleはどうやって助けることができるでしょうか?

Rippleの技術は素晴らしいと思いますが、我々はEthereumブロックチェーンの方がより大きなポテンシャルを持っていると考えています。

 

次にAlipayWeChat PayPayPalなどのウォレットについてお話したいと思います。これらのウォレットは素晴らしいテクノロジーですが、AlipayからPayPalにお金を送ることが出来ない、といったようにウォレット同士の互換性がありません

その理由はそれらがクローズドで隔離されたシステムであることです。お金を受け取ったりするためにはそれぞれの支払いシステムのアカウントを持つ必要があります。

Everexのアイディア、テクノロジー、そしてビジョンは、それとは異なっています。我々は紙幣のシステムをコピーしたいのです。

ここに誰がデザインしたのかはわかりませんが、お財布があります。ここに、まあ少ないですが、5000円あります。彼も、種類はわかりませんが、おそらくデザイナーの異なるお財布を持っています。しかし、どのような財布かに関わらず、この5000円札は彼のお財布にきちんと入ることになりますよね!ごめんね、本当にお金は渡せないよ。(一同笑)

Everexの考え方はこれと同じです。我々のトークンはウォレットの外に存在することができて、基本的にすべての企業、銀行、ファンド、取引所、小売店が自らウォレットを作り、同一のトークンを使うことが出来ます

我々はオープンシステムを作ってどのようなフィアットの通貨であってもEthereumブロックチェーン上にのせることができるようにすることが重要だと考えています。

 

少し背景を説明すると、ここ数年で特に小規模ビジネスや個人の取引において、銀行の手数料が大幅に値上げされました。

シティバンクについて言うと、2013年までは手数料無料の外国為替取引というものを提供していました。NYでも東京でも同様にATMを使うことができましたし、国内外での手数料も変わりませんでした。しかし、今は3%の手数料がかかるようになってしまいました。さらに、シティバンク以外のATMを使うと、何ドルも追加で料金がかかるようになりました。

しかしこれは個人の話であって、会社が国際送金をしようとした場合、さらに多くの手数料がかかる仕組みになっています。まず、支払いを受け取るのに数日かかりますし、外国為替のスプレッドもかなり大きくなっています。さらに悪いことに、100万円送ろうと思ったときに、実際に口座に円建てで100万円入っていたとしても、送金側と着金側の銀行で手数料がかかって実際に100万円送ることができないというケースもあります。会社間でお金を送るときに、手数料の関係で金額が合わないという無駄なやりとりが多く行われています。

為替が完全に自由化されていない国に送金しようとした場合、この問題はさらに大きくなります。場合によっては直接両替することができないので、JPYをUSDに換えて、さらにUSDをその国の通貨に換える、といった面倒なプロセスを経なければならないこともあります。そしてさらに企業であれば為替リスクというのはヘッジされる必要がありますが、小規模の企業に対してこのようなヘッジを行っている銀行はありません。

 

私たちは解決方法として、資産を一つのliquidity poolに集積させることによってオープンシステムなやり取りを行い、今までの問題をすべて解決しようと考えています。銀行、企業、政府の余剰資金をローカルなカレンシーとしてデジタル化してliquidity poolに入れます。Liquidity poolにデジタル化したお金をトークンとしておいておくことによって、保障された状態で送金や貸付を行うことができます。

我々が法定通貨トークン化する仕組みは、既存の銀行のプロセスによく似ています。まずKYCを行ってマネーロンダリングを防止します。そしてその後、デビットカードやクレジットカードを用いた電子送金で預入や引き出しが出来ます。そして、着金が確認でき次第、お金はトークン化され世界中の誰にでも送ることが可能です。

 

具体的に利用するときに、ETHで支払いをする、となると暗号通貨のことをよくわかっていない人にとっては使いづらかったり、価格の変動を気にする必要があったりします。しかし、それぞれのローカルなフィアットにペグされたERC20トークンを発行することでその問題が発生しません。

また、実際の支払いにおいてもカードを用いた場合、お金が銀行から小売店の手元に届くまで時間がかかっていましたが、Everexを使えばすべてのプロセスが非常に短い時間で出来るようになります。

国境を越える送金については、銀行に対する多額の手数料の支払い等があり今までは多国籍企業の特権になっていて、それが中小企業との格差を生んでいました。しかし、我々のシステムでその格差を取り除くことができます。

 

【Q&Aセッション】

Q1:Rippleは銀行間送金に特化したしたものだと思いますが、Everexとの違いはそこで間違いないですか?

A1:実はRippleもFXの外国為替に使われるということも想定していましたが、その当時はRippleのテクノロジーでは決済までの時間が5秒くらいかかりました。FXはナノ秒単位で取引をする世界なので5秒というのは致命的な遅さであったため、そこから離れてブリッジ通貨というものに変成を遂げたようです。

 

Q2:QUOINEのプロジェクトをご存知ですか?内容が非常に似ていると思いますが、Everexとの違いはなんだと考えていますか?

A2:QUOINEのプロジェクトは存じ上げませんが、私たちのダイレクトな競争相手はTetherだと思っています。世界中には多くの金融機関があってその数を考えたら、Everexがシェアの幾分かを取ることができると考えています。

 

Q3:すごく魅力的な通貨だとは思うが、一般の人々が使いやすいように広報やマーケティングは行っているのか?

A3:現在は詳細な広報活動は行っていません。法的な枠組みの整備を優先して考えています。現在行っているマーケティング活動としては、多くの国で既に顧客ベースを持っている現地のパートナーを作っています。

 

Q4:法定通貨からトークンへの交換レートはいつだれが決めるのでしょうか?

A4:我々がliquidity poolを持っている理由はその点にあって、インターネット上の取引市場で価格が決まるのと同等の仕組みでレートが決まります。

 

【まとめ】

トークセッションについては話の流れをほぼ損なわずに掲載することを重視したため、多少言葉が不自然な部分やわかりづらい部分もあるかと思います。実際英語で何を言っていたのかなど聞きたいことがあればコメント、TwitterのリプやDM等でいつでもご連絡ください!

 

お読みいただきありがとうございました。